
Mari Nerome
アーティスト・デザイナー
私は、染色芸術を専門とするアーティストです。沖縄の伝統工芸「紅型」に用いられる型染・糊防染という技法を用いて制作しており、伝統技法の洗練された美しさを残しながら、それを独自の感覚と融合させた現代的な新しい表現を模索しています。作品には、私が日々を生きる中で感じる、人の力でコントロールすることのできない自然への崇拝と畏れ、人の心の奥底に秘めた感情、生命の根源と死の神秘が表現されています。また、私は工芸という分野の垣根を超えた着物の可能性を研究しており、着るためでなく芸術表現としての着物作品を手がけています。作品は全て神話や伝説、空想や夢など異空間への入り口として制作されており、私の作品の前に立った時、そこからどの様な世界に飛んでいくのかは作品を見る人の自由な想像に委ねられているのです。さらに、見る人によってさまざまな解釈ができるよう、作品の中には多様な見え方をする象徴的な形が多く仕掛けられています。